色とコミュニケーション

——「伝わらない」の正体は、色にあるかもしれない

職場でこんな経験はありませんか。

「ちゃんと説明したのに、伝わらなかった」
「あの人とは、なんとなく話しにくい」

実はそのすれ違い、色が関係していることがあります。


人は「色のフィルター」で世界を見ている

色彩心理では、人それぞれに「好む色の傾向」があり、それは価値観や思考パターンと深く結びついているとされています。

たとえば、赤系を好む人は行動力・即断力が高い傾向があります。
青系を好む人は論理・冷静・慎重さを大切にします。
黄色系を好む人はコミュニケーション重視で場の空気を読みます。
緑系を好む人は調和・安定・人間関係を優先します。

これは優劣ではありません。ただ、「見ている世界の優先順位が違う」のです。

この違いを知らずに話すと、すれ違いが生まれます。知って話すと、伝わり方が変わります。

「伝わる」は、相手の色から考える

たとえば、新しい企画を上司にプレゼンするとき。

青系を好む上司には、データと論理で話す。
赤系を好む上司には、結論と成果を最初に伝える。
緑系を好む上司には、チームへの影響やメリットから話す。

同じ内容でも、入口を変えるだけで「伝わる」確率が変わります。

これは操作ではありません。相手の価値観に敬意を払い、相手が受け取りやすい形で届けることです。


職場に「色の視点」を取り入れると何が変わるか

私が企業研修でよく聞くのは、「なんであの人はああいう言い方をするんだろう」という声です。

多くの場合、悪意はありません。ただ、お互いの「優先していること」が違うだけです。

色を通じてお互いの傾向を知ると、「あの人は慎重なんだな」「この人は結論から話したいんだな」と、相手への解釈が変わります。

責めるのではなく、理解する。その小さな変化が、チームの空気を変えていきます。

千葉市幼稚園協会での研修(97名参加)では、受講後に「スタッフ同士の声かけが増えた」という声を多くいただきました。知識を学んだのではなく、お互いを知るきっかけが生まれたのだと思っています。


色は、コミュニケーションの「共通言語」になる

言葉は時に、感情を乗せすぎて伝わらないことがあります。

でも「あなたはどの色が好きですか?」という問いは、やわらかく、安全に、自分のことを話すきっかけをつくります。

色は、人と人の間に橋をかける道具です。

職場でも、家庭でも、色を共通言語にすることで、対話が生まれやすくなります。

次回は「色と自己理解」について書きます。自分が選ぶ色が、実は今の自分の状態を映し出しているという話です。

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