私が「色の仕事」を選んだ理由

「色が好き」と言うと、よく聞かれます。
「センスがいいんですね」と。

でも私が色に惹かれてきたのは、センスの話ではありませんでした。


中学1年生の原宿で、気づいたこと

最初のきっかけは、中学1年生のときでした。

初めて行った原宿の雑貨屋さんで、ブルーレースアゲートの革紐ネックレスを見つけたのです。
薄く、少し紫みを帯びた青。透き通るような、静かな色でした。気づいたら、買って帰っていました。

家に帰ってから、その石と同じ色の色鉛筆を1本だけ買いました。
何かに使うわけでもなく、ただ手元に置いておきたかった。その色鉛筆を、長い間大切にしていました。

当時は思春期の真っ只中で、心も身体も変化の時を迎えていました。
落ち着かない、でも何が不安なのかもわからない。そんな時期でした。

今思えば、あのとき私の心は、自然と平穏を求めていたのだと思います。
だからこそ、あの静かな青に引き寄せられた。

青紫には、繊細さや自分の内面に目を向けるという意味があります。
言葉にできなかった自分の状態を、色が先に教えてくれていたのです。

それからしばらくして、今度は朝焼けのグラデーションの美しさに心を奪われました。
朝が苦手だったにもかかわらず、朝焼けを見たくて、早寝早起きに切り替えるほどでした。

「色って、人の心を動かすんだ」

そのことを、中学生の私はすでに体感していました。


色に、何度も救われてきた

その後、建築・医療・販売・飲食と、いくつもの業界で営業や広報の仕事をしてきました。
やりがいもありましたが、深く傷ついて、自分を見失いそうになった時期もありました。

そんなとき、ふと気づくと「色」に戻っていました。

気になる色が変わる。
選ぶ色が変わる。
その小さな変化が、今の自分の状態を教えてくれる。

色は、不思議なほどに言葉より先に「今の自分」を映し出してくれるのです。


40代で、25年越しの夢へ

色彩の仕事をしたい、とずっと思っていました。
でもなかなか踏み出せなかった。

それでも40代になったとき、「今やらなければ、ずっとやらない」と思いました。

2021年、虹色workerを創業しました。

あれから行政・企業・教育機関など、累計50回以上の研修や講座を重ね、延べ1,000名以上の方に色の力をお届けしてきました。


「正解を教える」のではなく「気づく場をつくる」

私が色の仕事を通して届けたいのは、知識ではありません。

選んだ色、気になる色——それは今のあなたの状態や価値観を、言葉より先に映し出してくれます。

「なぜこの色が気になるのか」
「なぜあの人とは選ぶ色が違うのか」

そんな問いが、自己理解と相互理解を自然に深めていきます。

色は、自分を知る入口です。
そして、人とつながる入口でもあります。

周りから「色バカオタク」と言われることがあります。
私は、それを最高の褒め言葉だと思っています。

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